柏秦透心の「王様の耳はロバの耳」

カテゴリ: 書き書き活動

またまた遅くなりましたが勝手にコラボ・返礼の23で、最後です!




勝手にコラボ・返礼3【式真→宵月】 作:柏秦透心



 鎮破は、再び隠れた月によって閉ざされた鏡の側にいた。

 鎮破 :銘景。悪いが上の三枝神社まで連絡に行ってくれ。

 己の護法や式神にあたる小将・銘景を見送った鎮破は、背後の気配に気付く。

 鎮破 :なぜ……お前がここにいる。
 剣 :勝負しにきた。

 剣は自分の得物を突き出した。

 剣 :真剣で勝負だ。
 鎮破 :わざわざそのために、か。
 剣 :またいずれと思っても、いつ機会が巡り合うか分からねえからな。
 鎮破 :いいだろう。
 剣 :勝負は月が姿を現わし、天から落ちるまでだ。
 鎮破 :来い。

 先手必勝とばかりに、間合いも取らず剣は鎮破の懐めがけ突きを繰り出す。
 忍びでやっと目が追いつくほどのスピードで鎮破はその第一刀を躱し、即座に身を引いた剣の前髪に月破の刃を掠める。

 鎮破 :忍びは剣も磨くのか。
 剣 :俺の性に合ってるんだ。
 鎮破 :忍びなら、蹴りも突きも遠慮はいらないな。

 鎮破は切り返す勢いを使って上段蹴りを放つ。
 剣はその蹴りの靴裏が顔面に届く寸でで後ろに飛び、くるくると高く回転して距離を取った。

  鎮破:元は武士の血を持つとはいえ、様々な武道に精通するが我が五式の人間だ。それに、武士道など俺には関係のないものだからな。

 鎮破は月破刀の鍔を鳴らす。
 草むらに近い土を背後に蹴り、木立ちに風をたて竜巻のように体を捻り、右上から左下へと白刃を走らせる。
 剣の得物が刀身を捉えたが、鎮破の攻撃の一はまだ終わってはいなかった。
 捉えられたと同時にそのまま剣の刀を払い、すばやく戻された肘が剣の肩に入る。

 剣 :くっ……そ。

 剣はさらに立て続けに繰り出される斬撃を受ける。
 幾度めかで鎮破の刀を受けたまま、剣は体を滑らせ鎮破の足下を払った。
 体勢を崩しかけたところを突こうとしたが、膝で上手く支え剣の一撃を堪えた。
 互いに押し問答しては離れ斬り込み、また受けては斬り返す。
 両者の気の発しが合致したのか、剣の切っ先は鎮破の喉元、鎮破の切っ先は剣の眉間に合わせられていた。

 剣 :ここまでだな……。

 剣は意外にも潔く刀を下げ、夜空を仰いだ。

 鎮破 :またも痛み分けか。
 剣 :次は必ず勝ってやる。
 鎮破 :俺は行かんぞ。こちらを空けるわけにはいかないからな。

 鎮破は五式の月破刀を鞘に戻した。

 鎮破 :真夜と玲祈に、いまのうちに戻るように伝えてくれ。

 剣も放り出していた鞘を拾い上げ、一度として曇りを受けなかった白銀の刀身をしまった。

 剣 :ちゃんと伝えておく。じゃあな。

 後には無言で佇む鎮破だけが、さわさわと森渡る風とともに残された。



 鏡を抜けると、月華の月を隠すほどの雲はなくなり、辺りを仄明るく照らし出していた。
 道場ではすでに丑三つ時も終わるというのに、話し声が衰えていなかった。

 星来 :剣。どこに行っていたんだ。
 剣 :しずはと再戦してきた。
 真夜 :鎮破と!?
 玲祈 :うっわーツワモノじゃん。あいつの怖さ知らないから出来るんだって。
 永輝 :そんなに怖いのか、れいき。
 玲祈 :あいつがマジギレした時なんかもう目も当てられないって。
 剣 :麻地切れ? 服が破けるとあいつは怖いのか?
 玲祈 :ぶっわマジ面白いぜこの剣て人。
 真夜 :玲祈だって似たようなものじゃない。マジギレっていうのは、本当の本当に怒ったってことよ。
 シン :まやの世界って言葉が面白い。こすぷれ、とか。
 剣 :そ、それよりだな。月が出た。もう雲もないぞ。
 真夜 :ホント!?

 鏡面には眩い月光がそそがれていた。

 真夜 :それじゃあちょっと間だけど、お世話になりました。
 シン :また会いたいな。
 真夜 :私も。
 玲祈 :今度は俺が勝負だ。
 剣 :機会があればな。

 真夜と玲祈の二人は出口で待つ者も忘れて、上機嫌で鏡を抜けて行ってしまった。

 剣 :痛み分けだった。ちきしょう。
 星来 :俺なら勝つがな。
 永輝 :氷と火だからな剣じゃ。星来なら氷に氷と考えれば……。
 剣 :なんだよその言い方っ。
 シン :それより、鏡を元に戻した方がいいよね?
 星来 :剣にやらせろ。自業自得だ。
 剣 :あぁ!?
 永輝 :俺たちゃ部屋戻って寝よ寝よ。丸、ほらいくぞ。

 こうして月華の森はまた朝を迎えるべく眠りについた。



 元の世界に戻ってきた二人は鎮破の無言さに恐怖を感じながらも、一度三枝に戻った。
 鎮破に尋ねられたので調べていた、と三枝神社の娘である涼は座る。

 涼 :飛界鏡かしら。何度か現れた記録が三枝に残ってるわ。自らも現界とそれは異なる世界を飛び回り、自らそれらを繋ぎ、いわば異空間トンネルというか、気紛れな“なんちゃらドア”になる未知の品ってわけ。
 鎮破 :……。
 真夜 :なんちゃらドアって涼ちゃん……。
 涼 :まあ神隠しの一種に数えられるのかな。どうだった? 神隠し実体験は。
 玲祈 :なんかプチファンタジーっつーか。
 真夜 :気分は不思議の国のアリス……たどり着いた先は忍びの里……。

 精神年齢お子様の両人は、鏡の向こうではしゃぎすぎ、夢もうつつとそれぞれの世話役に連れ帰られたというのが事の終いで、当の鏡はまた何処へと消えていたのだった……。







 どーにか3つで終わらせました!!
 はーこんな感じで許されるのか!!

 そして今回のことでいいこと思いつきました(* ̄▽ ̄*)ノ"

 火月さんありがとうございました( ̄^ ̄ゞ ケイレイ!!

 とりあえずも今夜はもう爆睡します、オヤスミナサイ♪
 (「アーミン」ですw)

遅くなりましたが勝手にコラボ・返礼の2です!




勝手にコラボ・返礼2【式真→宵月】 作:柏秦透心



勝手にコラボ2【式真→宵月】

 なおも目の前に立つ者は真夜に問いを降らせた。

 謎の人物(男1)  :何者だと聞いているんだ
 真夜  :ちょっとあなたこそ何よ。れーきーこれ誰よ。
 玲祈 :誰と喋ってんだよ真夜。もう上見てもいいのか?
 真夜 :きゃーっ、まだよ! まだ顔上げんじゃないわよ変態。
 謎の人物2 :どうした?

 そうこう真夜が騒いでいる間にさらにもう一人、同じような格好をした者が現れる。
 真夜にはその者が降って湧いたように見えた。

 男1 :まただ。
 男2 :お! またあれか!? しかもシン以来の女!?

 騒ぎ飽きた真夜は今度飽きれて玲祈に問い掛ける。

 真夜 :れーきまた人が増えたんですけど?
 玲祈 :だから俺いま見れないって!
 男1 :まだ他にも下にいるらしいが。

 なおさらに二人の者がその場に現れた。

 女 :どうしたんですか?
 男3 :星来、永輝、また何かあったか?
 永輝 :おーシン、剣! また珍客らしいぜ
 シン :えー!
 剣 :あいつ!?
 星来 :いや、違う。
 永輝 :女の子~。

 永輝が手を広げて真夜を指し示す。
 あとから来た二人のうちの片方、シンと呼ばれた者は目を丸くした。

 シン :……えっと、まやって呼ばれてた。
 真夜 :なあんで私の名前知ってるの!?
 シン :この人、前にしずはって人が出てきた鏡の中で、影とかっていうのと戦ってた女の人の方だよ。
 真夜 :え!? 鎮破?
 星来 :とにかく、主に報告してくる。

 星来が見る影もない間に去っていった。

 永輝 :んじゃまあとりあえず出てもらおっか。

 玲祈も地上に出て来ると、自然と車座に向き合って話始まった。

 真夜 :玲祈、あんたのいなかんちじゃないの?
 玲祈 :いくらいなかのバアチャンちでもこんな格好、今時しないって。

 剣はずっと気になっていたことを切り出した。

 剣 :……ごしきしずははどうした」
 真夜 :それより、なんで私や鎮破のこと知ってるのよ。
 玲祈 :ついに発見影のアジト! ……じゃねぇよなあ。格好は忍び装束のコスプレスタイルだけど。
 剣 :こす……ぷれ? 新手な術か!?
 シン :酢た入る?
 永輝 :シン、お前まで……剣に付き合ってやらなくていいんだぞ。

 じっと玲祈は黒い装束に身を包む三人を見渡していた。

 玲祈 :あんたらもしかして正真正銘の忍者?
 永輝 :へ~分かるんだ。
 玲祈 :なぁんせ俺ぁ忍びの末裔の血ぃ引いてっからな。
 剣 :ごしきしずはもか?
 玲祈 :いんや。あいつは侍の血だったはず。
 玲祈 :何なに!? ってことは、こっちはくの一? 女の子だもん。

 真夜は勢いで隣りにかがんだ一人を指差す。

 シン :私はシン。そっか、こっちの男の人がこないだのれいきって人だ」
 星来 :お前達何をやっている。剣。

 いつの間にか星来が戻ってきた。結構な盛り上がりの状況に少し呆れ気味なようだ。

 剣 :なんで俺だよ。

 改めて星来は真夜や玲祈に向き直った。

 星来 :我々は忍びの者だ。この間ごしきしずはと言う者が、その穴の奥にある鏡から出てきて帰っていった。
 シン :その鏡を覗いたらあなた方が映ってたんです。
 星来は剣を無視し続ける一方、たまらずシンが話に加わった。
 真夜 :あー昨日影倒してる時鎮破いなくなったと思ったら。
 玲祈 :よくは見なかったけど、なんであんなとこに鏡があるんだ?
 永輝 :良いところ突くな~。
 永輝をもさておいて、星来は淡々と話の続きを始めた。
 星来る:それはさておき、丁重に帰ってもらおうと思ったんだが」

 永輝が見上げた森の先の空には、月が見当たらない。

 永輝 :月がねぇなあ、隠れちゃったぜ。
 星来 :ということで異例だが、主がお泊めしろとのことだ。
 剣 :げっ。本当かよ。
 永輝 :そりゃ異例中の異例……。
 星来 :内部には入らせられないから、一番近くの道場に案内する」

 一応の寝具とお茶を出されたが、シンや永輝が遠慮がちにも質問を繰り出し、あまつさえ真夜と玲祈という式師きってのおしゃべりで一服とてお互い休む暇なく、時折合致しない会話を挟んでは夜を更かしていた。
 所属部隊もだいたいが集まっていた中で剣は、なぜか鏡を地上に持ち出し、おもむろに鏡面に触れる。
 誰も思わなかっただろう。雲間からその瞬間月が顔を覗かせると……。







 果たして3つで終わるのか!!
 てか宵月キャラこんな感じに動いてもらっちゃってよいのかしら(´・ω・`)

今日もいい気晴らしになってますw

これは一昨日から今日までの三日間、サイト『六花の風花と共に』の管理人・火月未音さんが、日記スペースにオリジナルとウチの式真をコラボしたショートストーリーを書いていただいたので、その返礼に書いた勝手にコラボですw

 そちらを読んでからをお勧めいたします。【3編にわたります】
 火月さんの日記スペース「 勝手にコラボ?」・「勝手にコラボ2? 」・「 勝手にコラボ3!最後!!




勝手にコラボ・返礼【式真→宵月】 作:柏秦透心



 見上げると、月は高々に頭上へ昇っていた。

 真夜 :鎮破どこ行ってたのよぉ!
 鎮破 :何をしている?
 玲祈 :逃げるので精一杯だっつの!

 見れば、大型の漆黒の犬にでも追われているかのように、必死に逃げる真夜と玲祈の後ろを獣型の影が追っていた。
 溜め息まじりに鎮破は月破刀を払っていた。

 鎮破 :……散れ!

 瞬時に間を割って入り、影の足下を斬り払う。

 鎮破 :今だっ。

 とっ、と飛び上がった隙をついて指示を出す。
 影に照準合わせられた両の掌が三度声を上げる。
 三方から逃げ場を失った影はあがくもその力に捕まり、塵となって空気に溶けた。
 鎮破は振り返りあったはずの場所を見た。しかしどことして自分が潜った物は見当たらない。

 鎮破 :鏡が……。
 真夜 :はあ?
 玲祈 :カガミって?

 なんでもないと低く言い捨て、鎮破は先に踵を返した。


 昨夜の不審な行動が気になって仕方のない真夜は、放課後鎮破の大学の前まで来ていた。
 その後ろにはなぜか玲祈の姿もばっちりあった。
 悟られないように向かい側の文具店で何気なさを装い見張っていると、ほどなく出て来た鎮破の後を追った。
 目的地は意外にも、三枝の神社だった。

 真夜 :咲んちになんの用なのよ、鎮破のやつ
 玲祈 :逢引か? なら俺は真夜と──。
 真夜 :くだらないこと言ってないで、静かにしてなさいよ邪魔だわねえ

 長い表坂と呼ばれる階段の最上段まで来ると、その脇に石燈籠の陰に隠れた。
 小一時間としないうちに鎮破が出て来たのを見とめると、半ば飽きてきていた二人は慌てて階段脇の森の中を下って行った。振り返ってもまだ鎮破は階段を降りてこない。
 今のうちにと思った時、真夜の目は森の奥に止まった。

 真夜 :ん? なんだろ。森の奥で光ってる?
 玲祈 :真夜?

 自然と興味を引かれ森に入って行く真夜を、玲祈も追った。
 光っているものはつるんと飾りもない銅鏡のようなものだった。
 手を出したのがいけなかった。

 真夜 :鏡? んわあっ!
 玲祈 :真夜!

 鏡に触れた瞬間真夜は体ごと吸い込まれ、驚き手を伸ばした玲祈もまた鏡の中に姿を消した。
 その場をちょうどよくも階段を降りて来た鎮破が目撃していた。

 鎮破 :あいつはっ……。

 鎮破は東の空を見る。

 鎮破 :……もう月が出ていたか。


 気がつけば真夜の視界は暗闇に囲まれていた。
 真夜:あれ? どこ? ここ。真っ暗じゃな

 言いかけている途中、背中に体当りする者がいた。

 真夜 :ぃいったーい!
 玲祈 :てててぇ……真夜?
 真夜 :玲祈ね、何やってんのよ!
 玲祈 :お前の後追っかけて来たらこーなったんだよ。
 真夜 :ちょっと玲祈、真っ暗いんだからあんたの術で明かり点けてよ。周りのこの手触り、岩みたいだけど。
 玲祈 :八ツ森。

 玲祈の小将が灯した明かりで二人は開いた空間へと歩を進めた。
 真夜 :あら行き止まり? ……上があるみたいだけど。
 玲祈 :おー……。
 真夜 :待ちなさいよ、影の仕業だったらどうすんのよっ。よく見て、おあつらえ向きの縄梯子があるわっ。

 真夜の人差し指がその真下を指す。

 真夜 :玲祈四つん這いになって。
 玲祈 :はあ!? なんで俺がだよ。普通男に先行かせないか?
 真夜 :ばっかねぇそこらへんの女子ならともかく、私を掴まえてよくそんなことが言えるわね。やるのやらないのっ?
 玲祈 :……わーったよ、やりゃいんだろやれば。
 真夜 :上見てスカートの中覗かないでよね。
 玲祈 :誰がっ……。

 結構深いなと思いつつ、真夜は上っていく。
 急に視界が開けたと思うと、縄梯子はそこで終わっている。
 辺りは月夜だった。
 もっと周りを見渡そうと地上に手を伸ばしたのだが、ある所から先に指先が触れると、パンッと弾かれる。

 真夜 :なあに? 結界? 見たことないなあ。

 触るしか感じ取れないので弾かれても何度か触ってみた。

 謎の人物 :誰だ!

 どこからともなく人が目の前に降ってきた。

 真夜 :は……。
 謎の人物 :貴様は誰だ。
 真夜 :……ちょっと玲祈ぃ。あんたんちってこんな凄いこと出来るの?

 真夜は目の前の人間の格好にいささか引いていた。






 えっと、火月さん同様3つくらい続く予定です。
返礼とか言いながら、火月さんちの方がまだちょっとしか出てきてないという……。
 今日のいい気晴らしになってますw
 ありがとうございますしかもトップバッターに(。>0<。)
 (しかも私長いし……)

昨日から常設の式真全シリーズ対象の人気投票開幕しております♪
詳しくは式真ページ最下部にあります、企画欄をご参照のこと。

そして最近やたらめったら腹が鳴る……一日の食事量が元の三分の一くらいになっちゃってるからなのは分かりますけど。
なんかもー胃痛がもやもやっと日常的にあらわれるのもなんかどーでもいーくらいに流しちゃってるあたり精神衛生が悪化してるです。


勝利の暁にはこの一連の戦闘日記(笑)を肴に、きゅきゅーと一杯牛乳を飲みませうw
(私にとっては牛乳はなくちゃ死にます。一日最低限一杯は飲まないとやってけません……パラグライダーの合宿中やばかった……)

今ものすごくテニスがしたいです!!!
めっちゃしたいです。久しぶりに禁断症状出てきました!

中一から部活でやり始めたテニスを、せっかくの地元開催の国体も出てみたいなんて思って意気込んで高校入ったのに、高一でやめてしまったんですが。
というかやめたんじゃなくて不登校ならぬ部活不参加なだけだったんですが。

というかただのボールの打ち合いじゃなくて、テニスがしたいのです。
遊びとかじゃなくて。

そこをどうにか発散しようと、ブログ版柏秦透心ぃズに載せました「Let's play tennis」の主人公・海澤なずに脳内で発散させてます。
 
今脳内占拠中のネタは式真関連も含め4つでしょうか。
他の物事に集中している時って案外ネタに集中できると言う変なことに・・・・

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